遺留分を超・簡単に解説!請求ができる人や遺留分侵害額請求とは【相続】

遺留分(法定相続人が不当な遺贈や生前贈与について事故の持ち分を請求できる権利)を分かりやすく解説するイメージ

「身を粉にして病気の配偶者の介護をしてきた。そして死後に発見された遺言書には、怪しい宗教団体に全財産を遺贈するように書かれていた…」

こんなときに「それは通らんやろ!!!」と主張できるのが「遺留分」です。

今回はそんな遺留分の割合や主張方法について、分かりやすくまとめました。

目次

1分で分かる!遺留分とは

遺留分が一目で分かる「不当な遺贈」のイメージ

遺留分とは一言で言うと、「生前贈与や遺贈等のせいで、本来の相続人が十分な遺産をもらえない」ときに「それはおかしいやろ!」ができる制度。

例えば冒頭の例のように、配偶者や子供などがいるにもかかわらず、財産の大部分を

  • 遺贈
    (遺言書による贈与)
  • 生前贈与
    (第三者への贈与の場合、死亡の1年前までが対象)

された場合ですね。

例えば1億円の財産があり、配偶者も子供もいるのに「財産のすべては愛人にやる!配偶者は家から出て行け!」なんて遺言がすべて有効だったら普通にひどくね?ということです。

アンマリな遺贈や生前贈与を、少しでも公平に近づけようとするのが遺留分の考え、ということですね。

間柄や家族構成によって変わる?遺留分を主張できる限度(相続分に対する割合)

遺留分を主張できる限度のイメージ

相続財産に対して何パーセントの遺留分を主張できるかは、「誰が相続人か」によって異なります。

ここからは続柄ごとの遺留分について見ていきましょう。

存命の配偶者または直系卑属(子供や孫)がいるなら遺留分は「2分の1」

被相続人(亡くなった方)に、

  • 存命の配偶者(内縁を含まない)
  • 存命の直系卑属
    (主に子供/子供が亡くなっているならその子供)

がいるのなら、遺留分は相続財産の「2分の1」です。

例えば「1億円の遺産をすべて宗教団体に遺贈する」という遺言が遺されていたとしても、2分の1にあたる5000万円までは取り返すことができるでしょう。

デメリット

逆に言うと、遺贈分の2分の1は取り戻せないわけですね。

ちなみに相続財産は、亡くなったときに有している財産だけでなく生前贈与なども含まれる場合があります。詳細後述

意外と簡単!相続財産と遺留分の計算方法

取り返した遺留分をどう分ける?

遺留分の請求(詳細後述)によって遺留分を取り返せた、かつ複数の相続人がいる場合、基本的には法律で定められた割合(法定相続分)に基づき財産を分ける形となります。

例えば、

  • 相続人が配偶者1人、子供2人なら順に「2:1:1」
    (配偶者が50%、子供は「全員で」50%)
  • 相続人が配偶者1人、直系尊属1人なら順に「2:1」
    (配偶者が66%/3分の2、直系尊属は「全員で」33%/3分の1)

といった具合ですね。

とは言え相続人の間で合意がなされているのなら、上の割合に沿っていなくても構いません。

2 相続人が数人ある場合には、前項各号に定める割合は、これらに第九百条及び第九百一条の規定により算定したその各自の相続分を乗じた割合とする。

民法第1042条

法定相続人やその相続分について詳しくは、以下のページで解説していますよ!

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法定相続人が直系尊属(親や祖父母)だけなら遺留分は「3分の1」

「被相続人に存命の配偶者や子供・孫等はいないが、親や祖父母(直系卑属)ならいる」という場合、その方たちが法定相続人となります。

この場合における遺留分は相続財産の「3分の1」

相続人に配偶者や子供が含まれる場合に比べ、請求できる遺留分が減ってしまう点についてはご留意ください。

デメリット

1億円の相続財産が遺された場合なら、うち3333万円を請求できるということですね。

兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、次条第一項に規定する遺留分を算定するための財産の価額に、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合を乗じた額を受ける。

一 直系尊属のみが相続人である場合 三分の一
二 前号に掲げる場合以外の場合 二分の一

民法第1042条

法定相続人が兄弟姉妹だけなら「遺留分なし」

「被相続人に存命の配偶者も直系卑属も、直系尊属もいないが兄弟姉妹(またはその子)ならいる」という場合、兄弟姉妹(またはその子)が本来の法定相続人となるのですが…。

残念ながら兄弟姉妹(またはその子)に、遺留分は認められません。

そのため遺贈や生前贈与により被相続人の財産が処分されている場合、兄弟姉妹等は口出しができないという結果となります。

意外と簡単!相続財産と遺留分の計算方法

遺留分の主張が可能なのは、「被相続人が死亡時に遺した財産」だけではありません。

ここからは生前贈与を含めた相続財産と遺留分の計算方法について、簡単に解説していきます。

①10年以内に「相続人への贈与」がなかったかを確認

10年以内に「相続人に対して」生前贈与が行われた場合、その贈与分も遺留分の計算に含まれます。(民法1044条3項)

例えば、

  • 被相続人が死亡したときに確認できる財産は、合計1000万円相当だった
  • ただし被相続人は10年以内に、長男に対し500万円の贈与を行っていた

という場合、相続財産は1500万円であったとみなすことができます。

仮に他兄弟などが遺留分を主張するのであれば、この「1500万円」を基準に計算ができるわけですね。

このように10年以内に特別な生前贈与や遺贈を受けた相続人のことを、「特別受益者」といいます。

ちなみに「相続人を害することを知って行った」生前贈与であれば、10年の時間制限はなくなります。
(証明が難しそうではありますが…)

20年以上連れ添った夫婦には例外も

  • 20年以上婚姻関係を結んだ夫婦である
  • 被相続人(亡くなった方)が所有する不動産が存命の配偶者に対し、「居住のための不動産」を遺贈または生前贈与した

という場合、存命の配偶者は特別受益者とみなされず、受けた贈与がこれだけならば遺留分の侵害にも数えられません。(民法903条4項)

要するに20年以上の婚姻関係にある人の間なら、(贈与税や相続税はさておくとして)民法の上ではノーデメリットで不動産を遺せるわけですね。

②1年以内に「誰かしらへの贈与」がなかったかを確認

相続人以外への贈与は、原則として相続開始(一般に被相続人の死亡)から「1年以内」のもののみが計算に含まれます(民法1044条)。

例えば、

  • 被相続人が死亡したときに確認できる財産は、合計1000万円相当だった
  • 被相続人は6ヶ月前に、愛人に対し500万円相当の生前贈与を行っていた
  • 被相続人は2年前に、愛人に対し1000万円相当の生前贈与を行っていた

という場合、直近1年の生前贈与のみが参照され、相続財産は合計1500万円とみなされます。

ただしこちらも、相続人を害する意図が証明できた場合にはその限りではありません。

③期間を問わず「相続人を害する意図のある有償行為等」がなかったかを確認

もしも被相続人と受贈者(贈与を受けた人)に相続人を害する意図があったなら、時期や相手方を問わない「不相当な対価をもってした有償行為」も相続財産の計算に含まれる可能性があります(民法1045条)。

例えば相続人ではない人に財産を残すため、懇意の人に「本来2000万円の土地を200万円で売却した」等ですね。

「不相当な対価をもってした有償行為」自体があまり行われるものでない、および「相続人を害する意図」の証明が必要になることからレアケースではありますが…。

取り決め自体は存在するので、一応解説させて頂きました。

④債務や①②③を加え相続財産と遺留分を計算する

相続時における被相続人の財産(遺贈分を含む)に、

  • (相続人を害する意思がない限り)10年以内に行われた、相続人への生前贈与
  • (相続人を害する意思がない限り)1年以内に行われた、相続人以外への生前贈与
  • 相続人を害する意思のある「不適当な有償行為」など

の金額をプラス。ここから債務(ローン等)を差し引くことで、相続財産を確定できます。

この相続財産が不当に処分されている場合、相続人は遺留分を主張することができるでしょう。

ちなみに複数の要因で遺留分が侵害されている場合には、

  • 受遺者(遺贈を受けた人)
  • 受贈者(生前贈与を受けた人)
    ※複数人いる場合は時期が近い順

の順、つまり「直近で贈与を受けた順」に、遺留分侵害額請求を行う形となります。

デメリット

不動産や高額な動産(宝石など)の贈与が行われた場合には、その価値を確定するために鑑定士等への依頼が必要となるかもしれませんね。

生前贈与を含めた遺留分の計算の例

被相続人には配偶者と2人の子供(長女・長男)がおり、この3人が法定相続人である。

  • 5年前に長女の結婚に際し、1000万円相当を生前贈与した。
  • 6ヶ月前に、宗教団体に対し1000万円相当を生前贈与した。
  • 遺言書において、現在手元にある400万円をすべて愛人に遺す旨の遺言をした。

という場合において、相続財産と見なされるのは
1000+1000+400=2400万円。

遺留分は本来、

  • 配偶者に600万円(相続財産の1/4)
  • 長女に300万円(相続財産の1/8)
  • 長男に300万円(相続財産の1/8)

だが、配偶者と長男は財産を受け取れていない。

この場合、配偶者と長男(合計請求可能額900万円)は、

  • 愛人に400万円(実質的な遺贈の取り消し)
  • 宗教団体に対し500万円

相当の遺留分侵害額請求が可能と考えられる。

今回の例では第三者が請求対象となりましたが、生前贈与や遺言書の内容によっては相続人が他の相続人に遺留分侵害額請求を行うことも可能です。

実際、上の例でも長女への生前贈与が直近なら、長女が遺留分侵害額請求の相手方となっていました。

相続人の人数別・相続財産に対する遺留分の割合の一覧

ここでは相続人の続柄や人数に対する、「相続財産全体に対して遺留分を主張できる割合」をまとめてみました。

相続財産に対する遺留分の割合の一覧
存命の配偶者あり存命の配偶者なし
子供※1人配偶者25%
子供 25%
子供 50%
子供※2人配偶者25%
子供 12.5%×2
子供 25%×2
子供※3人配偶者25%
子供 約8.3%(1/12)×3
子供 約16.6%(1/6)×3
子供※4人配偶者25%
子供 6.25%×4
子供 12.5%×4
直系尊属1人配偶者 約33.3%(1/3)
直系尊属約16.6%(1/6)
直系尊属 約33.3%(1/3)
直系尊属2人配偶者 約33.3%(1/3)
直系尊属約8.3%(1/12)
直系尊属 約16.6%(1/6)×2
直系尊属3人配偶者 約33.3%(1/3)
直系尊属約5.5%(1/18)
直系尊属 約11.1%(1/9)×3
直系尊属4人配偶者 約33.3%(1/3)
直系尊属約4.16%(1/24)
直系尊属 約8.3%(1/12)×4

※「子供Aは亡くなっているが、その子供Aに子供(被相続人から見た孫)がいる」という場合、孫の人数にかかわらずAを1人としてカウント
(亡くなった子供に子供や孫がいない場合は0人としてカウント)

例えば相続財産(生前贈与などを含む)が4800万円の場合、

  • 相続人が配偶者と子供2人なら、合計2400万円
    (配偶者1200万円、子供600万円×2)
  • 相続人が配偶者と直系尊属1人なら、合計2400万円
    (配偶者1600万円、直系尊属800万円)
  • 相続人が直系尊属2人なら、合計1600万円
    (直系尊属800万円×2)

の遺留分を主張できることになります。

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「遺留分侵害額請求」を実際に行う方法

遺贈や生前贈与によって実際に遺留分が侵害されてしまった場合、「遺留分侵害額請求」によって自身の遺留分を取り返すことができます。

ここからはケース別の、「遺留分侵害額請求」の方法について簡単に解説していきます。

【前提】遺留分の侵害はお金で清算される

現行の民法において、遺留分の侵害は「お金」で清算してもらう形となっています。

例えば「唯一の財産である、5000万円相当の不動産」が第三者に遺贈されてしまった場合、相続人は不動産…ではなく2500万円のお金を請求する権利を得るわけですね。
(相続人が直系尊属だけの場合は約1666万円相当)

とは言え当事者間の合意があれば、お金以外の方法で決着をつけることも不可能ではありません。

ちなみに「遺留分の侵害をお金で清算する」という仕様は、2019年7月の民法改正によって適用された、比較的新しいものです。

遺留分侵害の相手方が相続人なら遺産分割協議で乗り切れるか

さて、まずは遺留分侵害の相手方が「相続人」である場合。

例えば「家督をすべて長男に譲る」という遺言があった場合、配偶者やその他の兄弟は長男に対する遺留分侵害額請求が可能です。

遺留分侵害額請求を行うにあたり、裁判を起こす必要はありません。

遺産分割協議において、「長男が不動産などを手に入れる代わりに、他の兄弟らに遺留分相当のお金を支払う」といった合意がなされれば、比較的平和的な解決が可能でしょう。

遺産分割協議に、弁護士等の協力を仰ぐ(専門家を交えて協議する)ことも有効です。

デメリット

ただし遺産分割協議がまとまらない場合には、裁判所の力を借りることになりそうです。

ちなみに相続人全員の同意があれば、遺言書の内容と遺産分割協議の結果が違ってもOKです。

相手方が非協力的な第三者なら専門家の助けや調停・訴訟が必要となりやすい

相手方が第三者(相続人以外)である場合、どういった対応が必要になるかは相手方の姿勢や資産状況によって大きく異なります。

もしも相手方が協力的なら貰いすぎた財産を譲り渡してくれるでしょうし、その逆も然りです。

基本的に遺留分侵害額請求を行う流れは以下の通り。

遺留分侵害額請求の流れ
  • 内容証明郵便などで、遺留分侵害額請求を行う旨を伝える
    (→ここで相手方が支払いに応じれば手続き完了)
  • 裁判所での調停
  • 調停が成立しなかった場合、訴訟

専門家への依頼が必要になるかどうかはケースバイケースですが…。

  • 遺留分の金額を考えると、専門家に依頼しても黒字になりそう
  • 相手方が遺留分侵害額請求に応じる気がなさそう
  • もうとにかくスムーズに解決したい

という場合には、相続関連を専門とする弁護士等に相談した方が良さそうです。

デメリット

ただし相手方が無資力である場合、専門家へ依頼した分がそのまま赤字となってしまう可能性もあります。

遺留分請求の相手方が無資力だった場合、遺留分侵害額請求は可能ですか?

注意!手続きは「遺留分の侵害を知って1年以内」に行う必要あり

遺留分侵害額請求を行えるのは、

  • 遺留分の侵害があったと知って1年間
  • 相続開始から10年間

のうち早い方までです。

このタイムリミットが過ぎてしまうと、遺留分侵害を主張できなくなるためご注意ください。

遺留分を「請求された」場合のトラブルについて

  • 生前贈与でいくらか資産をもらったが、すでに使い果たしてしまった
  • 遺贈でもらった不動産は生活していくためのもので手放せないが、請求されたお金を支払うこともできない

など、遺留分を「請求された」側にも支払いが難しい事情が生じる場合があります。

こういった場合に考えられる対応は、

  • 相手方と相談し、分割払いや支払い猶予などの約束を取り付ける
  • 「期限の許与」(支払い猶予)を求めて訴訟を行う

などでしょうか。

基本的に遺留分の主張は相続人に認められた権利です。

そのためいくら生前の被相続人の意志であっても、遺留分の侵害が主張されたらそれに応じる必要がある、というのが原則です。

提案

もちろん被相続人への虐待などを理由に、遺言書上において「相続人の廃除」が行われた場合などはその限りではありません。

遺留分と相続に関連するよくある質問と回答

遺留分と相続に関連するよくある質問と回答

ここからは、遺留分と相続に関連するよくある質問にお答えしていきます。

お探しの情報が見当たらない場合にはコメント欄やメールフォームなどからお気軽にご相談ください。

遺留分請求の相手方が無資力だった場合、遺留分侵害額請求は可能ですか?

いいえ。生前贈与等を受けた相手方が現在無資力(生活保護を受けている等)の場合、遺留分侵害額請求自体は可能でも、給付を受けることはできません。

デメリット

いわゆる泣き寝入りですね…。

ですが「遺贈により、これから資産が給付される」といった場合であれば、遺留分侵害額請求が可能と思われます。

ちなみに「遺留分を踏み倒すことを目的として、財産などの贈与を行う」ことは詐害行為とみなされ、贈与した先に請求が向かう可能性があるのでやめましょう。

遺留分を請求しないこと(遺留分の放棄)はできますか?

はい、可能です。

遺留分の請求は完全に任意ですので、相続財産の処分を個人の意思に任せても問題はありません。

ただし被相続人の「死亡前」に遺留分の放棄を正式に行うためには、裁判所の承認を得る必要があります。

遺留分減殺請求と遺留分侵害額請求の違いは何ですか?

遺留分減殺請求は、2019年7月に民法が改正される前に使われていた言葉です。

「遺留分を主張するための手段」という意味では同じですが、現行の民法では「遺留分の侵害分を、金銭で埋め合わせる」ことが原則となりました。

遺贈や生前贈与が「相続財産の2分の1に満たない」場合、遺留分の主張はできないのでしょうか?

はい、できません。
(もちろん相続財産が正しく確認・計算されていることが大前提にはなりますが)

相続人にとっていくら気に食わない・不条理な内容であっても、相続財産の少なくとも2分の1は、被相続人が自由に処理できます。

デメリット

自分が死んだ後の財産を、一切好きに使えないというのはそれはそれで問題ですしね…。

ただし遺産分割協議は、遺言書の内容にかかわらず行えます。
相続人間のトラブルであれば、こちらの方法で解決できる………かもしれません。

債務がある場合の相続財産の計算はどうなりますか?

債務はマイナスの財産として計算されます。

例えば預金・不動産などのプラスの財産が2000万円、かつ借金が500万円あるという場合における相続財産は「合計1500万円」となります。

配偶者や直系卑属が遺留分を主張する場合なら、「750万円」が遺留分となるわけですね。

ただし遺留分を侵害したとされる人が、引き継いだ債務を弁済した場合…。

その人が債務を弁済した分については、遺留分侵害額請求を行えなくなります。

前条第一項の請求を受けた受遺者又は受贈者は、遺留分権利者承継債務について弁済その他の債務を消滅させる行為をしたときは、消滅した債務の額の限度において、遺留分権利者に対する意思表示によって第一項の規定により負担する債務を消滅させることができる。
この場合において、当該行為によって遺留分権利者に対して取得した求償権は、消滅した当該債務の額の限度において消滅する。

民法第1047条3項

慰謝料の支払いは贈与に含まれますか?

いいえ。慰謝料はいつ支払ったかにかかわらず、贈与には含まれません。

そのため直近で慰謝料の支払いなどが生じた場合は、支払後の財産が相続財産となります。

またもしも慰謝料の支払いが残っている場合、その債務はマイナスの財産として相続の対象となります。

デメリット

プラスの財産よりもマイナスの財産の方が大きい場合には、相続放棄も視野に入りそうです。

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生前贈与したものの価値が現在と変わっている場合、遺留分の計算はどうなりますか?

「相続人に7年前に贈与したものの価値が、爆増or爆下げした……」という場合、その価値の変動が「受贈者の行為」、つまり生前贈与を受けた人のせいであるときに限り、「生前贈与時のままの価値を有する」とみなされます(民法904条・民法1046条)。

逆に言うと生前贈与を受けた人のせい「でない」価値の滅失などがあった場合、生前贈与は相続財産の計算に加えられなくなるわけですね。

例えば生前贈与された土地を、
・荒らし散らかして価値を落とした→贈与を受けたときの価値で計算
・災害などによって損害を受けた→「相続時」の価値で計算
というかんじです。

遺留分とその請求についてのまとめ

遺留分を主張できる限度のイメージ
遺留分とその請求についてのまとめ
  • 遺留分とは本来相続人となるべき人(配偶者・直系卑属・直系卑属がいない場合に限り直系尊属)が遺贈などにかかわらず、最低限受け継げる財産の割合のこと
  • 相続財産に対し、主張できる遺留分は原則として「相続財産の2分の1」
    ※法定相続人が直系尊属のみの場合は3分の1
  • 遺留分を計算するための「相続財産」には、
    ・原則として10年以内の、相続人への生前贈与
    ・原則として1年以内の、第三者への相続贈与
    ・遺された債務
    も参照される
  • 遺留分侵害額請求は必ずしも訴えによる必要はないが、やはり揉めた場合の最終手段は訴訟となりそう

争いの種となることも多い遺留分。ですが現実問題として、遺留分の主張は法律で認められた正当な権利です。

タイムリミットも最短1年と短いため、もし「遺留分が侵害されているかも…」と思ったら、早めに相続財産の確認などを進めたいところです。

提案

イレギュラーな事態が発生している場合や贈与の全容が明らかでない場合、その他交渉が難航しそうな場合などには、弁護士等への相談が推奨されそうです。

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ちなみに個人運営の性質上、第三者のチェック等を通せていません!
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