当サイトのメールフォームに、以下のようなメッセージが届きました(掲載許可は頂いています)。
大学3年生です。クレジットカードの審査に落ちてしまった理由を知りたいです。
バイトをしておらず、収入がないからと思いましたが、同じくバイトをしていない友達は審査に通っていました。(選んだのは別のカードです)
僕が奨学金を借りているからでしょうか?親の経済力は審査に関係ありませんよね?
審査に落ちた理由が分かれば、教えて頂きたいです。
また審査に落ちた後、別のカードにいつから申し込んでいいかも知りたいと思っています。
ご質問ありがとうございます!
ということで今回は、
- 「収入を得ていない学生」が審査に通過できる・審査に落ちてしまう場合の違い
- 奨学金の利用や家族の経済力が審査に影響するか
- 審査落ち後、新たに申し込みを行うまでの推奨期間
を中心に解説していきます。
目次
収入なしの学生がクレジットカードの審査に落ちた場合に考えられる理由
まずは質問者さんが「なぜ審査に落ちてしまったのか」について、考えられる理由を挙げていきます。
携帯電話料金の延滞などを理由に、信用情報に何らかの問題がある
学生に限ったことではありませんが、これまでに「自分の名義で結んだ後払いサービス」で長期延滞などの問題を起こしたことがあると、いわゆる「ブラック状態」に陥っている可能性があります。
- 何らかの後払いサービス(クレジットカード、各種ローン、分割払い等)において61日または3ヶ月以上の延滞を起こし、その解消と解約から5年が経過していない
- 後払いサービスの提供元から「強制解約」処分を受け、5年が経過していない
- 債務整理を行ってから、5年が経過していない
※任意整理の場合は「債務の清算」が起点となる場合あり
ブラック状態とは具体的に言うと、クレジットカードの審査の際に必ず閲覧される信用情報(=後払いサービスの利用履歴)に、長期延滞などの「悪い記録」が残っている状態を指します。
もしも思い当たるところがあるのなら、「延滞などの問題を解消して5年間」は、一般的なクレジットカード等の審査に通過することが難しい可能性があります。
「端末の分割払いを含む携帯料金」に延滞などの問題が生じた場合にも、信用情報にキズが残ってしまいますのでご注意ください。
※Nexusカードなど、特殊なクレジットカードであればブラック状態であっても審査に通過できる可能性があります。
クレジットカードなどの支払いを現在進行形で延滞中である
クレジットカードなどの後払いサービスを「現在進行形で延滞中」の場合、その日数にかかわらず審査に落ちてしまう可能性があります。
またクレジットカードのショッピング枠(リボ払い含む)の場合、「一定期間(目安として1ヶ月~)以上の延滞を解消した直後」であっても、信用情報への反映に時間が掛かる可能性があるため、こちらも審査落ちの理由となり得るでしょう。
ほぼすべてのクレジットカード会社が加盟している個人信用情報機関「CIC」は、1ヶ月ごとの支払い記録を保存・共有しています。
そしてショッピング枠の更新は1ヶ月ごとですので、延滞解消の直後は審査が不利に進む可能性がある…ということですね。
「現在進行形で延滞中」の場合に信用情報上で生じる問題について
(少し難しい内容です)
ややこしいことに、同じ「後払いサービス」と言っても、
- クレジットカードのショッピング枠や携帯端末などの「分割払い」
- クレジットカードのキャッシング枠やカードローン
はそれぞれ適用される法律が異なるため、信用情報の記録ペースも異なります。
具体的に言うと、
- クレジットカードのショッピング枠や分割払い(割賦販売法が適用される取引)に関する信用情報の更新は「原則として1ヶ月ごと」
- クレジットカードのキャッシング枠やカードローン(貸金業法が適用される取引)に関する信用情報の更新は「翌日まで」
となっているようですね。
つまり、
- クレジットカードのショッピング枠など(割賦販売法が適用される取引)であれば、「短期間の延滞はごまかせる(バレない)可能性があるが、延滞解消も反映されづらい」
- クレジットカードのキャッシング枠など(貸金業法が適用される取引)であれば、「1日単位の延滞も審査落ちの理由になりうるが、延滞解消後はすぐに情報が更新される」
ということになります。
仮に現在進行形で延滞が発生している場合には、「どちらの法律が適用される取引か」「信用情報上の延滞記録はどうなっているか」を確認しておく必要があるでしょう。
ちなみにブラック状態(延滞61日~)に陥った場合には、どちらの取引であっても最低5年間は異動(ブラック)の記録が残ります。
リボ払いやカードローンなどの他社債務・他社借入がある
債務、つまり「支払い待ちの残高」を多く抱えている場合には、クレジットカードの審査がいくらか不利に進む可能性があります。
そして学生という、一般に高い収入を得づらい(=高い支払い能力を得づらい)学生の場合であれば、「支払い待ちの残高を多数抱えている」ということは、より大きな問題と見なされるかもしれません。
「月収5万円・リボ払い残高100万円」なんていう状況の人に「支払いの立て替え(≒クレジットカードの発行)」を行うのは、誰だって怖いですものね。
債務の種類には、
- 法律上「借金」と見なされないもの
(リボ払いや分割払いの債務) - 法律上「借金/借入」と見なされるもの
(主にカードローンやキャッシング枠の利用分)
がありますが、審査において歓迎されないという意味ではどちらも同じです。
審査の際に閲覧される信用情報を見ると、申込者の債務状況はすぐに分かります。
カード会社に自分の債務を隠すことはできません。
クレジットカード会社からの電話に出なかった
最近のクレジットカードの審査は数分程度で終わることも多い一方、今でも電話による申込み確認を行う会社は存在します。
- 知らない電話番号から、何度も連絡が入っていた
- それから数日~後に審査落ちの連絡が来た
という場合には、連絡が付かなかったことを理由に審査に通過できなかったのかもしれません。
知らない電話番号から連絡が入った場合には、インターネット検索などによって「カード会社からの電話かそうでないか」を確認できますよ!
申込先のクレジットカードの審査基準との相性が悪かった
ここまで挙げてきた具体的な審査落ちの要因に、一切思い当たることがないのなら…。
申込先のカード会社やクレジットカードの審査基準と、申込者との相性が悪かっただけかもしれません。そして意外とこういった事例は多いです。
「単に相性が悪かった」場合には、学生でも申し込みやすい他社クレジットカードの審査にあっさり通過できることも珍しくはないでしょう。
審査基準は申込先のカード会社や、カードのグレードによって様々です。
なので「同じ人が、別のカード会社に申し込む」ことでまったく違う結果が出ることも珍しくはないんですね。
質問者さんの場合は、お友達が審査に通過できたカードに申し込んでみるのも良いかもしれません!
(それでダメなら信用情報を確認した方がいいかも…)
→あるクレジットカードの審査に落ちてしまった後の再申し込みについて
学生にとって審査に通過しやすいクレジットカードの条件と見分け方
「信用情報に問題はない」「他者で債務も抱えていない」「それなのに審査に落ちてしまった」
…そんな場合は、単に申込先のカードが「収入を得ていない学生に厳しい」あるいは「そもそも学生や、収入を得ていない人の申し込みを受け付けていない」のかもしれません。
そこでここでは収入の有無にかかわらず、学生でも審査に通過しやすいクレジットカードの見分け方について解説していきましょう。
18歳から申し込みが可能である
基本的にクレジットカードは、「入会可能な年齢」が高く設定されているものほど審査が厳しい傾向にあります。
大学を出たばかりの22歳の人と社会人経験も長い40歳の人、どちらが一般的に経済能力が高いか?と考えれば、この傾向にも頷けますね。
ただしこれは逆に言うと、若い人でも申し込めるカード、具体的に言うと18歳から申し込めるカードであれば、会員に期待される支払い能力が高くないということでもあります。
つまり「18歳から申し込めるクレジットカード」は、「23歳から申し込めるクレジットカード」に比べると審査難易度が低いと考えられるわけですね。
審査に自信がない方や学生の方は、現在の年齢にかかわらず「18歳から申し込めるカード」を選ぶと良いでしょう。
とは言えゴールドカードや有料・高額なカードでもない限り、大体のカードは18歳から申し込み可能です。
学生(高校生ならなお良し)への申込み案内が見られる
審査に不安のある学生の方は、学生の申し込みについての案内が見受けられるカード、つまり学生の申し込みを歓迎しているカードを選ぶのが良いでしょう。
例えば39歳以下限定の高還元カード、「JCBカードW」の申し込み条件は以下のように設定されています。
18歳以上39歳以下で、ご本人または配偶者に安定継続収入のある方。または高校生を除く18歳以上39歳以下で学生の方。
引用元:JCBカード公式サイト
わざわざ「安定継続収入がある方」と「学生の方」を分けて記載している点からは、「学生であれば収入がなくても申し込みOK」という意図を汲むことができますね。
また、「毎月の請求額を自動で1.0%オフ」を売りとしている「P-oneカード<Standard>」の場合は、条件を満たせば高校生であっても申し込みが可能と明記されています。
18歳以上でご連絡可能な方
引用元:ポケットカード公式サイト
※高校生の方は、卒業年度の1月よりWEBでのみお申込みいただけます。
この表記が意味するのは、大学生よりもさらに信用が低いと見なされがちな高校生であっても、カード会社が要求する入会基準を満たしうる(=審査に通過しうる)ということ。
こういった事情を加味すると、「高校生OK」のカードは高校生でない学生にとっても、さらに申し込みやすいと言えるでしょう。
ちなみに断トツ人気の「楽天カード 」は、「学生OK・高校生はNG」です。
申込み条件に「安定収入」に関する記述がない
申込み条件に「安定収入がある方」といった記載があるカードは、そうでないカードに比べ要求する支払い能力が高い(=審査が厳しい)可能性があります。
実際は「安定収入」に関する条件が形骸化していることもありますが、審査に不安があるのなら、申込み条件がシンプルなカード、具体的に言うと収入の有無を問わないカードを選ぶに越したことはないでしょう。
「18歳以上の方」と「18歳以上で安定収入がある方」…どちらが高い支払い能力を要求しているかは、一目瞭然だということですね。
奨学金は「長期の延滞がなければ」クレジットカードの審査に影響しない
さて、ここからは質問の内容に戻りましょう。
結論から言うと奨学金は、「長期の延滞がない限り」クレジットカード等の審査に影響しません。(日本学生支援機構の場合)。
これは日本学生支援機構が、「3ヶ月以上の延滞があった場合にのみ、信用情報の登録を行う」ということを公式サイト等で明記していることから明らかです。
リボ払いやカードローンと違い、奨学金が500万円だろうが1200万円だろうが「3ヶ月以上の延滞さえなければ」カードの審査に影響することはない、ということですね!
また仮に長期延滞が生じても、信用情報が登録されるのは多くのクレジットカード会社と直接関係のない、「全国銀行個人信用情報センター」という信用情報機関です。
ただ「全国銀行個人信用情報センター」はカード会社が加盟している信用情報機関(CIC・JICC)と提携を結んでいるため、奨学金の延滞情報がカード会社に伝わり、審査落ちの原因となる可能性は0ではありません。
イオン銀行が発行する「イオンカード」のように、全国銀行個人信用情報センターの情報を閲覧する発行元も無いわけではないですしね。
日本学生支援機構以外の機関が提供する奨学金の場合は仕様が異なりますのでご注意ください。
ただし実際のところ、奨学金が信用情報に反映されることは稀でしょう。
家族の収入や信用情報はクレジットカードの審査に影響しない
家族の信用情報は、
- その家族が(連帯)保証人となる
- 配偶者貸付を利用する
(少なくともクレジットカードとは関係ありません)
といった場合でなければ閲覧されません。
そしてクレジットカードを作る程度であれば保証人を求められることもないため、少なくともクレジットカードの審査に関して言えば、「家族の信用情報は不問」と言えます。
また収入に関しても、多くの場合で尋ねられることはないでしょう。
配偶者がいる方であれば世帯収入の記入を求められることもありますが…。
そもそも「収入なしの学生でも申し込めるカード」を選ぶ分であれば、あまり気にする必要はないでしょう。
むしろあまり高い収入を書くと、確認の連絡などが入るかもしれませんしね。
あるクレジットカードの審査に落ちてしまった後の再申し込みについて
クレジットカードの審査に落ちてしまった後、新しく申し込みを行うためにはどれくらいの期間を空けるべきなのでしょうか?
「同じカードへ申し込む場合」「別のカードへ申し込む場合」それぞれについて解説します。
別のクレジットカードであれば多くの場合、審査落ち直後に申し込んでもよい
まったく別のカードへ申し込むのであれば、前回の審査落ちからほとんど時間を空けなくても良いだろうと思います。
一応、新規申し込みの情報は個人信用情報機関に登録されますが、その反映も1ヶ月に1度ですしね。(キャッシングの審査を行う場合はその限りではないかもしれませんが…)
ただし短期間にあまり多くのカードへ申し込みを行うと、反映された申込み情報を見たカード会社(あるいは自動審査のシステム)が、
- 何らかの事情でお金に困り、一気にクレジットカードを複数作ろうとしているのかもしれない
- 入会特典目当ての申し込みかもしれない
(=入会特典を貰い逃げされるかもしれない)
…といった猜疑心を抱くためか、一時的に審査が不利に進みやすくなる場合があります。
この状態のことは、一般に「申し込みブラック」と呼ばれていますね。
ちなみに「新規の申込み情報」は、個人信用情報機関に6ヶ月間記録されます。
つまり「審査に落ちた後、別のカードへ申し込む」ことについての結論は、
- 常識的な範囲内の申込み数(4~5枚程度でしょうか)までなら、おそらく許容範囲
- ただしあまり多くのカードへ、立て続けに申し込みを行うのは悪手
ということになります。
※ゴールドカード→一般カード等、ダウングレードを行う場合や、提携カードを選ぶ場合はその限りではありません。
同じカードへの申し込みは「最低でも6ヶ月」の期間を空けよう
「1度審査に落ちてしまったカードに、再度申し込む」ためには、最低でも6ヶ月の期間を空けるべきとされています。
6ヶ月というのは個人信用情報機関に、新規申し込みの情報が記録される期間ですね。
カード会社によって違いはあるかと思いますが、おそらくは機械審査のシステムが、「同一カードへの申込記録」が信用情報に残っている場合、自動的に審査落ちの結果を出してしまうのだろうと思います。
過去6ヶ月以内にお申込をされたお客さまのお申込はご遠慮いただいております。
引用元:楽天銀行公式サイト
そもそも学生(大学生・専門学校生など)はクレジットカードを作るべき?
意見は様々だろうと思いますが、個人的には、
- 一人暮らし、あるいはそれに近い状況である
(=さまざまな支払いを自分自身の手で行う必要がある) - インターネットショッピング等を利用する機会が多い
- 海外旅行や海外留学に行きたい
という場合であれば、クレジットカードを作っておいた方が良いだろうと思います。
実際に私も大学2年生か3年生の頃に、はじめて楽天カードを作りました。
決済額が高ければ高いほど、クレジットカードを使ってもらえるポイントの恩恵は大きくなります。
またクレジットカードが1枚あれば、インターネットショッピングにおいて、
- 代引き手数料や銀行振り込みの手数料を支払う必要がない
(それどころかポイントが貰える)
といった恩恵を受けられることでしょう。
ただし「お金を持っていると、持っているだけ使ってしまう」という性質の方にとって、クレジットカードがリスキーな存在であることもまた確かです。
クレジットカードの基本の仕組みや、海外で利用する場合のメリット等については以下のページで詳しくまとめていますので、よかったら参考にしてみてください。
学生がクレジットカードの審査に落ちた理由などについてのまとめ
- 「学生が審査に落ちる」理由には信用情報の問題の他、単に申込先との相性が悪かったという場合もある
- 学生でも審査に通過しやすいのは「18歳から申し込め、収入に対する制約がなく、学生に対する案内があるカード」
- 日本学生支援機構の奨学金は、3ヶ月以上の延滞を起こさない限り審査に影響しない
- クレジットカードの審査の場合、家族の収入や信用情報は審査に影響しない
- 他社カードへの申し込みなら「審査落ち直後でもOK」
(ただしあまり多くのカードへの申し込みはNG)
※同じカードへの申し込みなら「最低6ヶ月は空けるべき」
実のところ「学生」という属性は、同じ年齢の社会人に比べても審査が有利に進みやすい傾向にあります。
審査落ちの理由に心当たりがない場合には、別の会社のカードへ申し込むことで、あっさりとクレジットカードを作れるかもしれません。
遠くないうちに学生向けカードのおすすめ記事なんかも作りたいわね…。
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