
結論から言うと、年金未納(年金保険料の滞納)は信用情報に記録されません。
そのため「年金保険料の滞納自体は」クレジットカードの審査に影響しないというのが事実です。
目次
日本年金機構は個人信用情報機関(≒ブラック情報などを記録する場所)と関係がない

▲何も知らない日本年金機構の図
そもそもブラック状態とは、個人信用情報機関という場所に「長期延滞」などの悪い情報が残ってしまっている状態を指します。
個人信用情報機関というのは、各利用者の「後払いサービスの利用履歴」(=信用情報)を記録している機関のこと。
そしてクレジットカードやローンの審査の際には、信用情報が必ず確認されます。

ここで悪い情報が見つかると、審査が不利に進みやすく(=ブラック状態扱いと)なるわけですね。
ただし、信用情報が記録されるのはあくまで「個人信用情報機関に加盟している金融機関の、後払いサービス」を使った場合のみ。
そして国民年金保険料(厚生年金も)の納付先である日本年金機構は、個人信用情報機関に加盟していません。
つまり仮に滞納を起こしたとしても、金融機関側がそれを知るすべはありませんので、年金保険料の滞納はクレジットカードの審査に影響しないと言えるわけです。
これは「年金保険料の滞納」の他、猶予や免除といった措置を受けている場合も同様ですね。

ほとんどすべてのクレジットカード会社が加盟している個人信用情報機関「CIC」の加盟組織は、公式サイト から検索できますよ!
ただし差し押さえが発生すると審査に影響する可能性も

さて、問題が年金保険料の滞納や未納「のみ」であるのなら、クレジットカードの審査に影響はありません。
ただし差し押さえをはじめとする、二次的な問題が生じている場合はそうとも言い切れないのが実際のところです。
ここからは年金未納により「差し押さえ」が生じた場合の懸念について解説していきましょう。
差し押さえを起こした銀行と「同じグループ」のカード会社は避けておくのが無難
現在、差し押さえの情報そのものを全金融機関に共有するシステムはありません。
ただし金融機関は、グループ内で顧客情報を共有していることが一般的です。
例えばこちらは「三井住友銀行」のプライバシーポリシーの一部。
当行では、SMBCグループのグループ各社との連携強化による、より付加価値の高い各種商品・サービスのご提供やグループ全体の経営管理やリスク管理の実施・強化を行うために、個人情報保護法第27条第5項第3号に基づき、お客さまの個人データの共同利用を以下のとおり行います。
引用元:三井住友銀行公式サイト
ご覧の通り、三井住友銀行の利用状況は他のSMBCグループ、具体的に言うと、
- 三井住友カード
- SMBCコンシューマーファイナンス(プロミス)
等に共有される可能性があるわけです。

この場合だと、三井住友銀行で起こした「差し押さえ」の情報が三井住友カード等に伝わり、審査が不利に進むかもしれない…ということですね。
実際、どの程度まで利用状況が「共同利用」されるかは不明です。また金融機関によって異なる部分も大きいでしょう。
ただしもしも「年金未納」のために差し押さえを受けたことがあるのなら、別の系列のカードの審査を受けるのが無難と言えます。

仮に三井住友銀行で差し押さえを起こしてしまったら、念のため「三井住友カード」等への申し込みを避けておこう、ということですね。
差し押さえによって手持ちのカードを使用できなくなる可能性も
今回の質問の内容とは若干逸れてしまうものの、年金未納により差し押さえが生じた場合には、既存のクレジットカードを使用できなくなる可能性があります。
1.本会員は、次のいずれかの事由に該当した場合、本規約に基づく一切の債務について当然に期限の利益を失い、直ちに債務の全額を支払うものとします。
引用元:三井住友カード公式サイト
(1)仮差押、差押、競売の申請、または破産もしくは再生手続開始の申立等の法的な債務整理手続の申立があったとき。
「期限の利益を失う」とは、分割払いや後払いの権利を失うことを指します。実質的にはほぼ強制解約と言っても良いでしょう。
「差し押さえを起こした銀行と、別のカード会社を使っていれば、差し押さえがバレることはないのでは?」という考えも過りますが、現在進行形で差し押さえを受ける場合は話が別です。
これはカード会社が「第三債権者」(国民年金機構以外の債権者)の立場となり、差し押さえの通知が向かう可能性があるためです。

現在進行形の差し押さえ処分は、カード会社と銀行の系列に関係なく隠し通せない、ということですね…。
手持ちのカードを失いたくない場合には、何とかして事前の通知が来た段階で、差し押さえを回避できるよう努めたいところです。

そもそも差し押さえが発生すると、クレジットカードの引き落としにも対応できなくなりますからね…。
審査に自信がないなら「18歳から、収入を問わず申し込める」クレジットカードを選ぼう

さて、話は若干逸れましたがここはクレジットカードの情報サイトです。
そして質問の内容の本分も、「年金保険料を滞納している人間でも、審査に通過できるカードはある?」ということでしょう。
結論から言うと、審査に自信がないのなら「18歳から、収入の有無を問わず申し込めるカード」を選ぶのがおすすめ。
例えば以下の条件を掲げている、P-oneカード<Standard>などですね。
18歳以上でご連絡可能な方
引用元:ポケットカード公式サイト
※高校生の方は、卒業年度の1月よりWEBでのみお申込みいただけます。
申込み条件を見る限り、このカードは高校を卒業したばかりの18歳のみならず、卒業予定の高校生すら申し込みが可能となっています。
つまり会員に期待・要求されている支払い能力も高くないということで、支払い能力に自信がなくとも、選択しやすい1枚と言えるでしょう。
その他、高校生の申し込みは受け付けていないものの、審査に自信がない方には「楽天カード」も人気がありますね。
ただしもちろん、申し込みが可能=審査に通過できる…とは限りませんのでご注意ください。
※ただし「現在進行形で差し押さえを受けている」「何らかの後払いサービスを延滞しており、ブラック状態にある」という場合には、一般的なクレジットカードの取得が困難です。
この場合には、ブラック対応のデポジット型カードである「Nexusカード」等への申し込みをご検討ください。
クレジットカードのキャッシングやカードローンで年金保険料の延滞を解決してもいい?

- 年金保険料の延滞そのものは、クレジットカード等の審査に影響しない
- 差し押さえの手続きが始まると、既存のカードの所有や支払いにも問題が生じる可能性がある
といった実情を踏まえると、「年金保険料の滞納中~差し押さえの実行前」の期間であれば、特に問題なく既存のカードを使ったり、新しい契約を結んだりできる可能性があることが分かります。
となると気になるのは、この期間中にクレジットカードのキャッシング枠やカードローンを使って「年金保険料の滞納の解消」を行って良いか、つまり借金で延滞を解消することについての是非でしょう。

個人的な意見としては、
- 収入のアテがあり、返済の目途が立っている
- 借入(借金)によって、確実に差し押さえを回避できる
といった状況であれば、借入による解決も「アリ」といったところ。
一方、
- 無職・無収入であり、お金を借りたとしても返すアテがない
といった状況であれば、この借入は状況を悪化させる要因にしかなりません。
国民年金の保険料を支払えない場合にはどうすればいい?

さて、ここで問題となるのは「どれだけ督促状が届いても、無い袖は振れない」という状況の場合ですが…。
国民年金には、収入が減少してしまった場合に保険料を免除したり、猶予したりする制度が存在します。
何らかの理由で収入のアテがなく、年金保険料の納付が困難という場合には、できる限り早い段階でこういった制度を使うのが良いでしょう。
参考:日本年金機構公式サイト「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」
またすでに延滞を起こしてしまっている場合でも、直接年金事務所に相談することで、分割納付(分割払い)を受け入れてくれる可能性もあります。
なんにせよ重要なことは、「督促状や催告状を放置しないこと」だと言えます。
災害や失業など特別な事情により保険料の納付が困難なときには、申請により保険料の分割納付などができる場合があります。
引用元:三重県鈴鹿市公式サイト
どうしても納付が困難なときは、滞納のままにせず、お早めにご相談ください。

もちろん状況によっては、生活保護などの行政の支援制度への申し込みも視野に入ります。
生活苦に陥ってしまった場合には、お住まいの市区町村の生活相談窓口に電話を掛けてみるのもおすすめです。
年金未納とクレジットカードの審査についてのまとめ

- 年金の未納そのものは、クレジットカードの審査に影響しない
- ただし年金未納で差し押さえを起こした場合には、銀行と同系列のカード会社への申し込みを避けるのが無難
- 審査に自信がないなら「18歳から、職業を問わずに申し込めるクレジットカード」を選ぼう
年金保険料の未納そのものは、クレジットカードを含む金融機関の審査に影響しません。
ただし「差し押さえ」(仮差押えを含む)が始まると既存のカードを使い続けることすら難しくなる場合があるため、それまでに何とか、延滞状態を解消したいところです。

今回の質問は、100人アンケートを行った際に頂戴したものです。
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