ANAのゴールドカードは、最低でも15,400円の年会費を要求する代わりに一般カードよりも充実した特典やサービスが適用されるクレジットカード。
それでは実際に、年会費を支払ってでもこのカードを選ぶべきはどういった方なのでしょうか?
今回は一般カードとの違いや損益分岐点、そして6つのカードの比較と選び方まで、「ANAのゴールドカード」に関する情報を詳しくまとめました。
目次
- 1分でチェック!ANAワイドゴールドカードを選ぶべきはどんな人?
- ANAのゴールドカード(ANAワイドゴールドカード)の特典とサービス、使用するメリット
- ANAワイドゴールドカードやANAマイルのデメリットと注意点
- 4つのANAカードのグレード比較(一般・ワイド・ワイドゴールド・プレミアム)
- ANAの一般カードよりもゴールドカードを選んだ方がお得になるのはどんな人?
- 実質6種類!フローチャートで簡単に分かるANAのゴールドカードの選び方と比較
- ANAワイドゴールドカードの改悪とは?
- ANAワイドゴールドカードの審査と必要な年収の目安について
- ANAワイドゴールドカードについての口コミ・評判
- 【ANA】SFC(スーパーフライヤーズカード)のゴールドカードとその入会条件について
- 主な路線(国内線・国際線)の特典航空券との交換に必要なANAマイルの一覧
- ANAのゴールドカード(ワイドゴールドカード)に関するよくある質問と回答
- ANAワイドゴールドカードの年会費の元を取るためには年間いくらの支払いが必要ですか?
- ANAワイドゴールドカードの家族カードの年会費はいくらですか?
- 国内空港サービスは、ANAワイドゴールドカードの会員の同伴者も利用できますか?
- ANAワイドゴールドカード会員が利用できるラウンジとは、ANAのラウンジですか?
- 一般カードからANAワイドゴールドカードに切り替えるにはどうすればいいですか?
- ANAワイドゴールドカードから一般カード等にダウングレードすることはできますか?
- ANAワイドゴールドカードの会員は、ANAにて優先搭乗のサービスを受けられますか?
- ANAワイドゴールドカードの国際ブランドを、入会後に変更することはできますか?
- ANAワイドゴールドカードの年会費は、毎年いつ請求されますか?
- ANAワイドゴールドカードの限度額はいくらまでですか?
- ANAのゴールドカードについてのまとめ
1分でチェック!ANAワイドゴールドカードを選ぶべきはどんな人?
ANAのゴールドカード(主にANAワイドゴールドカード)は一言で言うと、「マイル還元率以外のメリットを求めている方」に合ったクレジットカードです。
このように、「日常の決済でマイルを貯める」ことだけを目的とするのなら、申込先は年会費の安いANA一般カードで事足ります。
結果的にあえて高額なANAワイドゴールドカード(またはゴールド相応のダイナースカード・アメックスカード)を選ぶべきは、「還元率以外のゴールド限定特典」に魅力を感じる方だと言えるでしょう。
具体的に言うと「ANA利用時のフライトマイル積算率アップ」「国内空港ラウンジサービス」そして「ステータス性」等ですね!
ANAのゴールドカード(ANAワイドゴールドカード)の特典とサービス、使用するメリット
下位カードではなくわざわざゴールドカードを選ぶべきは、「ゴールドカードならではの利点に魅力を感じる方」。
ということでここからは、ANAのゴールドカードに共通する利点やサービスについて解説していきます。
有料サービスに加入せずとも「マイル還元率1.0%(実質還元率2.0%~)」を実現できる
ANAのゴールドカードのマイル還元率は1.0%相当(JCBの場合、1,000円につき10マイル双頭の1ポイント還元)。
下位カードと異なり、マイル還元率1.0%を達成するために有料サービスに加入する必要はありません。
そしてANAのマイルは航空券との交換を前提とする場合、1マイルあたり2円相当以上の価値を持つことが多々あります。
実際のANAマイルの価値の計算例
2024年5月9日と同月12日の「羽田⇔福岡」便を、「大人一人・普通席・スーパーバリュー料金(45日前までの予約)」の条件で取得する場合、
- 通常の決済であれば合計41,920円~
- ANAマイルとの交換であれば15,000マイル~
つまりこの場合、15,000マイルは41,920円の価値を持っており、1マイル当たりの価値は2.79円相当となる。
結果的にANAのゴールドカードの実質年会費は2.0%~相当ということに。
高還元率で知られる楽天カードの還元率が1.0%であることを考えると、この数字の高さがよく分かるかと思います。
「どこで使っても価値の高いマイルを効率よく貯められること」が、このカードの第一の利点ということですね!
ただしマイル還元率1.0%そのものは、一般カードであっても達成できるため注意が必要です。
入会・継続で毎年2,000マイルをプレゼント
ANAのゴールドカードの会員は、
- 入会時に2,000マイル
- カード更新時(年会費の支払い時)に2,000マイル
のボーナスマイルを受け取ることができます。
またJAL系列のカードと違い、これらのボーナスマイルを貰うにあたって「飛行機に搭乗すること」等の条件は特にありません。
「カードを作る/継続するだけでマイルがもらえる」というのも、ゴールドカードの利点の1つです。
ちなみに一般カードの入会・継続ボーナスマイルは1,000マイルです。
入会キャンペーンの活用でさらにANAのマイルがもらえる!
ANAカードとその発行元は、積極的に「入会キャンペーン」を実施しています。
例えばこちらは2024年6月30日までにJCBブランドのワイドゴールドカードに申し込んだ際に適用される入会キャンペーン。
恒常特典 | 新規入会で2,000マイルプレゼント |
【6月30日入会分まで・JCB限定】 新規入会&決済でプレゼント | 2024年9月30日までに ・20万円以上の決済で6,000マイル相当 ・70万円以上の決済で9,000マイル相当 ・100万円以上の決済で24,000マイル相当 ・150万円以上の決済で30,000マイル相当 のポイントプレゼント ※要エントリー&ログイン等 |
※その他抽選キャンペーンあり
このようにお得な入会キャンペーンに参加できれば、カード発行をきっかけに大量のマイルを獲得できることも珍しくありません。
ちなみに上のJCBブランドの入会キャンペーンにて「32,000マイル」を獲得できたなら、大人一人が日本とシンガポールを往復できる可能性があります(ローシーズン・エコノミークラスの場合)。
→主な路線(国内線・国際線)の特典航空券との交換に必要なANAマイルの一覧
ANAやスターアライアンスの提携航空会社にてフライトマイルの積算率が+25%
ANAのゴールドカードの会員はフライトマイル、つまりANAや提携航空会社 の航空券を購入する際にもらえるマイルが25%アップします。
例えばANAにおいて、東京→福岡(片道)便を利用する際のフライトマイルは本来567(割引運賃を使用しない場合)。
そしてANAのゴールドカードの会員であれば、ここに25%相当、つまり141マイルを上乗せした、計708マイルを受け取ることができるでしょう。
一般カードのマイル積算率が「+10%」であることを考えると、いわゆる空マイラ―、つまり「飛行機を利用してマイルを貯める方」ほどお得と言えますね!
国内空港ラウンジサービスが無料で使い放題
ANAのゴールドカードの会員は、各空港に設置されたラウンジ(いわゆるカードラウンジ)を無料で使用可能です。
このラウンジではラウンジ専用Wi-Fiの他、ドリンクバー缶ビール、快適なオフィスエリアなどの提供を受けることができます。
カードラウンジ自体は1,100円前後の入場料を支払うことで誰でも利用できるものの、やはり「何度でも無料で入室できる」ことは、ゴールド会員の大きな利点と言えます。
ちなみに同伴者のラウンジ入室料金は原則として有料(1,100円程度)ですが、ANAアメックス・ゴールドの場合であれば、同伴者料金も1名無料となります。
最大5000万円~1億円の海外旅行保険を含む付帯保険が充実
※発行元が株式会社ジェーシービーなら最大1億円補償
ANAのゴールドカードには、発行元のカード会社ごとの旅行保険やショッピング保険が付帯します。
その内容はどの発行元(≒国際ブランド)を選んだかによって異なるものの、一般カードより優れた内容であることは確かです。
一般カード(アメックス除く)には治療費保険や携行品補償が付帯しませんからね…。
そのため特に海外に行く際の安心をプラスしたいという場合には、ゴールドカードならではの付帯保険が強い味方となってくれることでしょう。
海外旅行保険の内容は、JCB発行であれば最大1億円(さらに航空機遅延補償等付き)、それ以外であれば最大5000万円です。
海外旅行保険【自動付帯】 | |
傷害死亡・後遺障害 | 最高1億円 【家族特約1000万円】 |
傷害治療費用 疾病治療費用 | 最高300万円 【家族特約200万円】 |
賠償責任 | 最高1億円 【家族特約2000万円】 |
携行品損害 | 最高50万円 【家族特約50万円】 ※自己負担額3,000円 |
救援者費用 | 最高400万円 【家族特約200万円】 |
航空機遅延補償 | 最高2万円 |
手荷物遅延・紛失補償 | 最高4万円 |
国内旅行保険【自動付帯】 | |
傷害死亡・後遺障害 | 最高5000万円 |
怪我による入院 | 5,000円/日 |
怪我による手術 | 5,000円×倍率 ※手術の種類により変動 |
怪我による通院 | 2,000円/日 |
ショッピング保険 | |
国内・海外でのお買い物 | 年間500万円 ※自己負担額3,000円 |
※特記が無い場合、家族特約なし
決済サービス「ANAPay」の併用でマイル還元率がわずかながらアップ
ANAが提供する決済サービス「ANAPay」とANAのゴールドカードを併用すると、実質マイル還元率は1.1%となります。
マイル還元の内訳は、ANAワイドゴールドカードを使った「チャージ」で0.6%、ANAPayを使った0.5%ですね。
ゴールドカード単独のマイル還元率(1.0%)と比べ、劇的にお得…というわけではないものの、ANAPayを利用する機会を設けられるのなら、このテクニックについても知っておくと良いでしょう。
特に「iD」や「VISAのタッチ決済」は、加盟店数(=使えるお店の数)も多いため、ApplePayやGoogle Payに対応している端末をお持ちなら、ぜひ活用したいところです。
ちなみにANA Payは、「ANAマイレージクラブ アプリ」(ANAの公式アプリ)を使って簡単に始められます。
ANA Payでは1マイル=1円として、ANAマイルを使用することも可能ですが…。
そのマイルを航空券に交換すれば2円相当~の価値を持ちうると考えると、少しもったいないかもしれません。
もちろん「空港内店舗で割引」などのANAカード共通特典も適用される
ANAの各ゴールドカードには、もちろん一般カードと同じ「ANAカード共通特典」が適用されます。
- ANAカードマイルプラス加盟店 にてマイル還元率アップ
(ANA、セブンイレブン、スターバックスカードへのチャージなど) - ANAの機内販売が10%オフ
- 空港内店舗「ANA FESTA」5%オフ
- 「ANAショッピング A-style」5%オフ
- 成田空港パーキング割引
「一般カードでは受けられるサービスが、ゴールドカードでは適用されない」といった問題は生じないためご安心ください。
ただし「ANA VISA Suicaカード」のような、「一般グレードしか設けられていないANAカード」は存在します。
ANAワイドゴールドカードやANAマイルのデメリットと注意点
ここからはANAのゴールドカードや、それに関連するデメリット・注意点について簡単に解説していきます。
マイル還元率1.0%を達成するだけなら申込先は一般カードでよい
「マイル還元率1.0%」を魅力に思い、ANAのゴールドカードへの申し込みを検討する方は多いでしょう。
ですがこのマイル還元率そのものは、一般カードであっても追加料金を支払うことで実現可能です。
そしてその際の年会費は実質7,700円(JCB)または8,800円(VISA、Mastercard)と、追完会費を加味しても「ワイドゴールド(15,400円~)」よりかなり安価。
つまり「マイル還元率1.0%」のみを狙うのであれば、申込先は比較的安価な「ANAの一般カード」で十分と言えます。
→4つのANAカードのグレード比較(一般・ワイド・ワイドゴールド・プレミアム)
一般カードにあった「Suica」「nimoca」付きカード等は選択不可
ANAのゴールドカードには一般カードのような、
- JR東日本との提携カード(ANA VISA Suicaカード)
- 西鉄との提携カード(ANA VISA nimoca カード)
- 東急との提携カード(ANA TOKYU POINT ClubQ PASMO マスターカード)
が存在しません。交通機関との提携は、ソラチカゴールドカード(東京メトロ)のみとなっています。
一般カードになかったDiners Clubブランド(ANAダイナースカード)が増えるとはいえ、カードの選択肢が減っている点については注意が必要と言えるでしょう。
JALのゴールドカードにはSuica付きカードや東急との提携カードが存在するんですがね…。
ANAはシーズンによって「航空券との交換に必要なマイル」が変動する
これはANAのゴールドカードというよりも、ANA自体の特徴なのですが…。
ANAでは「いつ出発する航空券を取得するか」、つまり繁忙期かそうでないかによって、航空券との交換に必要なマイル数が変動します。
そしてライバルにあたるJAL(日本航空)は、シーズンによって航空券との交換に必要なマイルが変動することがありません。
このことから、お盆や年末年始といったハイシーズンに飛行機を利用するのであれば、JALのマイルを貯めた方が良いという方も少なくはないでしょう。
ローシーズン | ・1/11~2/29 ・4/4~4/24 ・12/1~12/25 |
レギュラーシーズン | ・3/1~3/7 ・5/7~8/1 ・8/19~11/30 |
ハイシーズン | ・1/1~1/10 ・3/8~4/3 ・4/25~5/6 ・8/2~8/18 ・12/26~12/31 |
ただし「この区間はANA(あるいはJAL)しか就航していない」という状況も少なくないため、利用したい路線が決まっている場合には事前に「どの航空会社を利用可能か」をチェックしておくと良いでしょう。
→主な路線(国内線・国際線)の特典航空券との交換に必要なANAマイルの一覧
4つのANAカードのグレード比較(一般・ワイド・ワイドゴールド・プレミアム)
ANAカードは全部で4グレード展開です。
そして各カードの相違点をまとめると、以下のようになりました。
一般カード | ワイドカード | ワイドゴールドカード | プレミアム(プラチナ)カード | |
デザイン | ||||
年会費 | 7,700円~ ※マイル還元率1.0%達成時 | 13,475円~ ※マイル還元率1.0%達成時 | 15,400円 ※Amex、Dinersを除く | 88,000円 ※VISAの場合 |
マイル還元率 | 1.0% ※2倍コース/10マイルコース加入時 | 1.0% ※2倍コース/10マイルコース加入時 | 1.0% | 1.5% ※VISAの場合 |
入会・継続ボーナス | 1,000マイル | 2,000マイル | 10,000マイル | |
フライトマイル | +10% | +25% | +50% | |
国内ラウンジ | × | × | 無料で利用可 | |
海外ラウンジ | × | × | JCBは有料で利用可 ダイナースは年10回無料 | 無料で利用可 |
付帯保険 | 最大2000万円 | 最大5000万円 | 最大1億円 (JCB) 最大5000万円 (VISA他) | 最大1億円 |
特徴 | 最も年会費が安い | ゴールド特典に興味がない空マイラ―向け | カード別のゴールド限定特典が適用される | コンシェルジュサービス等を利用できる 超高還元 |
年会費が全く異なるプレミアムカードについては、別のページで解説することにして…。
マイル還元率1.0%の達成を前提とすると、やはり「ワイドカード」と「ワイドゴールドカード」の年会費が1,925円しか変わらない点は気になるところ。
国内空港ラウンジサービス等の差を考えると、基本的にワイドカードを選ぶよりは、年会費のあまり変わらない「ワイドゴールドカード」の方がおすすめしやすいかと思います。
一方、お買い物時の基本還元率のみに目を向けると、一般カード~ワイドゴールドカードの間に差はありません。
よって「日常の決済でマイルを貯めたい」といういわゆる陸マイラーの方であれば、申込先は最も年会費の安い「一般カード」で十分と言えます。
あえて年会費の高いゴールドカードを選ぶべきは、「フライトマイルの積算率アップ」「空港ラウンジサービス」あるいはステータス性といった、ゴールドカードにしかない利点に魅力を感じる方、ということですね。
ANAの一般カードよりもゴールドカードを選んだ方がお得になるのはどんな人?
ANAの一般カードとゴールドカードの間には、最低でも6,600円もの年会費の差があります(一般カードのマイル還元率を1.0%とした場合)。
この年会費の差を踏まえても、「ゴールドカードを選んだ方がお得」となりうるのはどういった方なのでしょうか。実際に計算してみました。
ANAの一般カードとワイドゴールドカードの損益分岐点は「年36,667のフライトマイルの獲得」(Visaの場合)
一般カードよりもワイドゴールドカードを選んだ方がお得となるのは、「年33,667以上のフライトマイルを、ANAカードの特典なしでも獲得できる方」です。
申込先候補に挙がりやすい、ANAの「一般カード」と「ワイドゴールドカード」の相違点をまとめると、以下のようになります。
普通カード | ワイドゴールドカード | |
年会費 | 7,700円(JCB) 8,800円(Visa、Mastercard) ※いずれもマイル還元率1.0%達成時 | 15,400円 ※JCB、Visa、Mastercard |
入会・継続ボーナス | 1,000マイル | 2,000マイル |
フライトマイル | +10% | +25% |
損益分岐点の基準となるのは、フライトマイルの積算率の差ですね。
ということで継続ボーナスのマイルも加味した上で、「ゴールドカードを選んだ方がお得となる年間獲得フライトマイルX(ANAカードボーナスを含まない)」を計算すると、
- X×1.25+2,000≧X×1.1+1,000+(15,400-7,700または8,800)
を解いて、約44,667(JCBの場合)または約36,667(Visa・Mastercardの場合)という結果に。
つまり、
- JCBの場合は約44,667マイル
- VISAやMastercardの場合は約33,667マイル
のフライトマイルを、「ANAカードのボーナスに頼らず」獲得できる方であれば、一般カードよりゴールドカードを選んだ方がお得と言えるでしょう。
JCBの方が高いフライトマイルを要求されるのは、JCBの一般カードの方が必要な年会費が安い(=ペイしなければならない差額が大きい)ためです。
ちなみにANAにおいて適用される基準フライトマイル(=ANAカード特典で上乗せされたり、早割で減額されたりする前の付与マイル)は以下の通り。
羽田→福岡 | 567マイル ※往復なら1,134マイル |
羽田→沖縄 | 984マイル ※往復なら1,968マイル |
東京→台北 | 1,330マイル ※往復なら2,660マイル |
東京→ロサンゼルス | 5,458マイル ※往復なら10,916マイル |
※いずれも早割などを利用しない場合の普通席・エコノミー席における目安値
「年間33,667以上の基準フライトマイルの獲得」は、よほど国際線などの長距離便を利用する方でないと、達成することが難しいかもしれません。
この条件を達成できる方は、遠からずSFC(ANAお得意様専用カード)も発行できそうですね…。
フライトマイルが損益分岐点に満たなくともゴールドカードを選ぶ意味はある?
フライトマイルの積算率や毎年のボーナスマイルの差異を加味しても、「一般カードよりもゴールドカードを選んだ方がお得」な方は多くないと言わざるを得ません。
ですが、
- 入会特典の充実
- 「付帯保険の充実」「国内空港ラウンジサービス」といったゴールド限定の特典
- 「大手航空会社のゴールドカード」が持つステータス性
に魅力を感じるのであれば、損益分岐点相当のフライトマイルを獲得していない場合であっても、ゴールドカードを選ぶメリットはあるでしょう。
損益分岐点となるフライトマイルを獲得できるか、よりも「ゴールドならではの特典やステータス性に魅力を感じるか」がポイントということですね!
ちなみに私個人としては大手航空会社のゴールドカードを見たとき、「飛行機を利用する機会が多い、経済的に余裕のある人なのかなあ」という印象を受けます。
実質6種類!フローチャートで簡単に分かるANAのゴールドカードの選び方と比較
▲クリック/タップで拡大できます
ANAのワイドゴールドカードは全部で3種類ですが、ここに「ゴールド相当のANAカード」を加えると選択肢は全部で6つとなります。
直感で選べるフローチャートと、比較して選べるスペック表の両方を作ってみましたので、あなたに合った方法であなたに合った1枚を選んでみてください。
※いずれもANAゴールドカード特典
(マイル還元率、入会ボーナス、フライトマイル積算率など)は共通
海外での利用を前提とするならVISAまたはMastercardが最優先
ANAのゴールドカードを日本だけでなく、海外でも使用する予定があるのなら、三井住友カード社が発行するVISAまたはMastercardブランドの選択が強く推奨されます。
実際に私はヨーロッパ圏(ウィーン周辺)に1年ほど滞在していたのですが、この地域でクレジットカードと言えば大体VISAかMastercard(のタッチ決済)の二択。
大きなチェーン店などであればJCBが使えることもあったものの、特に個人で経営されているお店の場合には、「VISAまたはMastercardしか使えない」ことも珍しくはありません。
使えるお店の数で言うと、VISA=Mastercard>>Amex>Diners>JCB、というかんじですかね…。
特にVISA・Mastercardのカードに優れた特典などは設けられていないものの、そもそもクレジットカードは、決済に使えなければほとんど意味がないものです。
よって日本以外(特にJCBが普及していない東アジア以外)に行く機会が多い方であれば、VISAまたはMastercardのブランドを選択するのが無難でしょう。
ちなみにヨーロッパ圏(私が行ったことがあるのはウィーン・ルクセンブルク・パリ)において、「Mastercardは使えるがVISAは使えない」(あるいはその逆)というお店は見かけませんでした。
海外での利用を想定するのなら、「VISA」「Mastercard」どちらを選んでも大差はないだろうと思います。
……一方で特に目立った追加特典などは存在しないため、「絶対にVisa・Mastercardがいい」という希望が無いのであれば、選択肢から外れやすい申込先でもあります。
海外に行く機会があるなら最優先となりやすい一方、国内でのサービスを優先するのなら後述の「JCB」ブランド等の方が優秀、というバランスですね。
JCBブランドは最大1億円の付帯保険とJCB限定の特典が嬉しい
JCBブランドのANAカードは、海外(日本人観光客が多い東アジアなどを除く)で使いづらい一方、
- 航空機遅延補償を含む最大1億円の付帯保険(※利用付帯)
- 国内外20万以上のお店やサービスで優待(クラブオフ)
- 海外空港ラウンジサービス(入室料35US$/回)
という、VISAやMastercardにない特典やサービスを有しています。
JCBのゴールドカードに適用される「クラブオフ」優待の例を見る
お店やサービス | 優待内容 |
コメダ珈琲 | ドリンクのサイズアップ (レギュラー→たっぷりサイズ) |
ポムの樹 | ソフトドリンクが無料 (2名様まで対象) |
白木屋、笑笑、魚民 目利きの銀次 他 | 10%オフなど |
PIZZA-LA | 最大500円オフ |
Uber Eats | 初回注文で1,800円オフ |
U‐NEXT Hulu | 無料トライアル期間の延長 |
booking.com (宿泊予約サイト) | 最大1,500円のAmazonギフトカード付与 |
Expedia (宿泊予約サイト) | 最大1,500円のAmazonギフトカード付与 |
イオンシネマ | 1,800円の鑑賞料金が1,300円に |
MOVIX | 2,000円の鑑賞料金が1,400円に |
ビックエコー カラオケ館 | 室料30%オフ |
エミナルクリニック (医療脱毛) | 最大1万円オフ |
レジーナクリニック | 10%オフ (全身脱毛など) |
メンズリゼ | 全身脱毛10%オフ |
その他 | 習い事、サブスク、宿泊、サロンなど多数(国内外20万以上) |
※掲載されている優待内容については、予告なく変更となる場合がございます。
特に海外(特に欧米圏など)に行く機会がないという方や、保険や特典を重視したい方であれば、同じ年会費でよりサービスが充実した「JCB」ブランドのANAカードを選ぶと良いでしょう。
VISA・Mastercardの強みが汎用性にあるのなら、JCBの強みは保険とサービス内容、ということですね!
ソラチカゴールドカードはJCBのサービスに東京メトロの優待をプラス
ANA To Me CARD PASMO JCB GOLD、通称「ソラチカゴールドカード」は、先に紹介したJCBのANAカードと共通するサービスに、
- 東京メトロの利用で「メトロポイント」が貯まる
(平日20ポイント、休日40ポイント/一乗車、定期券内を除く) - メトロポイントPlus加盟店で「メトロポイント」が貯まる
(自動販売機は100円ごと、店舗は200円ごとに2ポイント還元) - PASMO機能、PASMOオートチャージ機能
といった特典やサービスを追加したクレジットカードです。
その特性から、
- 東京メトロを利用する機会が多い
- PASMOのオートチャージ(モバイルPASMO可)を利用したい
という方におすすめのANAカードと言えるでしょう。
メトロに乗って貯めた「メトロポイント」は、PASMOのチャージやANAマイルへの交換に使用できますよ!
ソラチカカードには「PASMO」機能が付帯する関係上、「JCBのタッチ決済」の機能が付帯しません。
また、ソラチカカードを使ったPASMOオートチャージの対象は、「ソラチカカードに付帯するPASMO機能」に限られます。
別のPASMOカードやモバイルPASMOに対し、オートチャージを行うことはできません。
ソラチカゴールドカードについて詳しく見る
年会費 | 15,400円 | 基本還元率 | 2.0%前後~ ※マイルを航空券に交換する場合 |
国際ブランド | JCB |
還元ポイント | ANAマイル (Oki Dokiポイント経由) |
発行元 | 株式会社ジェーシービー |
申込条件 | 20歳以上で、ご本人に安定継続収入のある方 |
- 東京メトロの利用で「メトロポイント」が貯まる
(平日20ポイント、休日40ポイント/一乗車) - メトロポイントPlus加盟店で「メトロポイント」が貯まる
(自動販売機は100円ごと、店舗は200円ごとに2ポイント還元) - 【2024年9月末まで】新規入会で最大94,000マイル相当プレゼント
- カード継続で2,000マイルプレゼント
- ANAのフライトマイル+25%
- 国内空港ラウンジサービス
- 航空機遅延補償を含む最大1億円の付帯保険
- 国内外20万以上のお店やサービスで優待(クラブオフ)
- 海外空港ラウンジサービス(入室料35US$) 他
:ゴールド限定特典
ANAダイナースカードは審査難易度が高いが特典もステータス性もピカイチ
ANAダイナースカードは、名前通りANAとダイナースカードが提携して発行するクレジットカードです。
ダイナースカードは、
といった特徴を持つカードとして知られています。
「利用可能枠の設定なし」を実現するためか入会審査の難易度は高いものの、その分だけステータス性も高いと言えるでしょう。
またANAダイナースに関して言えば、お得な入会キャンペーンを行っていることも多いという利点もあります。
ダイナースクラブの加盟店は他の国際ブランドに比べて少ないです。
ただし現在はJCBと提携を結んでいるため、国内のJCB加盟店であれば、問題なくダイナースカードを使用できることが多いですよ。
ANAダイナースについて詳しく見る
年会費 | 29,700円 | 基本還元率 | 2.0%前後~ ※マイルを航空券に交換する場合 |
国際ブランド | Diners Club |
還元ポイント | ANAマイル (Dinersのポイント経由) |
発行元 | 三井住友トラストクラブ株式会社 |
申込条件 | 目安として27歳以上 |
- 【Diners限定】入会キャンペーンで最大62,000マイル相当プレゼント(2024年9月30日まで)
- 入会・継続で2,000マイルプレゼント
- ANAのフライトマイル+25%
- 【Diners限定】利用可能枠に一律の制限なし
- 【Diners限定】海外空港ラウンジサービス(年10回無料)
- 国内空港ラウンジサービス
- 【Diners限定】対象レストランのコース料理が2名以上のご利用で1名分無料
- 【Diners限定】ゴルフ場優待などのゴルフ関連優待
- 年間30,000以上の「プレミアムポイント」獲得で「ブロンズサービス」メンバーのステイタスを獲得可能
- セブン-イレブン、スターバックスなどの特約店でマイル還元率2倍
- 対象の空港内ショップや機内販売の割引
ANAアメリカン・エキスプレス®・ゴールド・カードは入会特典や継続特典が魅力的
ANAアメリカン・エキスプレス®・ゴールド・カードは、アメリカン・エキスプレスが発行するANA提携のゴールドカードです。
AmexブランドのJALのゴールドカード(三菱UFJニコス発行)とは違い、こちらは本家アメリカン・エキスプレス社発行です。
(カードデザインのアメックス感は薄いですが…)
年会費は34,100円と他のゴールドカードに比べても高いものの、
- 新規入会&決済で最大65,000マイル相当のポイントプレゼント
(※最大還元の適用には3ヶ月以内に150万円の決済が必要) - 年300万円以上の決済で10,000円相当の「ANA SKY コイン」プレゼント
- 海外空港ラウンジサービス(年2回無料)
- 国内空港ラウンジサービスが同伴者1名も無料
- スマートフォン・プロテクション などの独自保険
といった独自の要素に魅力を感じるのなら、申し込みを検討してみても良いでしょう。
確実に年300万円の決済が可能なら、10,000円相当の「ANA SKY コイン」の受け取りを前提として、実質年会費24,100円のカードと考えてみるのも良いかもしれません。
ちなみにヨーロッパ圏では、VISA・Mastercardに次いで加盟店が多く見えたのが「American Express」ブランドでした。
ANAアメックス・ゴールドについて詳しく見る
年会費 | 34,100円 | 基本還元率 | 2.0%前後~ ※マイルを航空券に交換する場合 |
国際ブランド | American Express |
還元ポイント | メンバーシップ・リワード®のポイント |
発行元 | アメリカン・エキスプレス・インターナショナル, Inc |
申込条件 | 明文化された条件なし |
- 【AMEX限定】新規入会&決済で最大50,000マイル相当のポイントがもらえる
- 【AMEX限定】年300万円以上の決済で10,000円相当の「ANA SKY コイン」プレゼント
- カード継続で毎年2,000マイルプレゼント
- ANAのフライトマイル+25%
- 海外空港ラウンジサービス(年2回無料)
- 航空機遅延補償を含む最大1億円の付帯保険(※利用付帯)
- 対象の免税店 が10%オフ
- 【AMEX限定】スマートフォン・プロテクション などの独自保険
- 【AMEX限定】手荷物無料配送
(成田国際空港、中部国際空港、関西国際空港での出国&帰国時、1つまで) - マイルに交換する前の独自ポイントは有効期限なし
(※マイル移行後の有効期限は36ヶ月) - マイル移行にAmexへの追加年会費の支払い不要 他
:一般カードに無い特典
ANAワイドゴールドカードの改悪とは?
GoogleでANAワイドゴールドカードについて調べようとすると、サジェストに現れる「改悪」の文字。
そこでここでは、皆さんが気になっているANAワイドゴールドカードの改悪履歴、そして「改悪後の今も、このカードを選ぶ意味があるのか」について解説していきます。
【2023年の改悪】JCBゴールドの海外旅行保険が自動付帯から利用付帯へ
2023年4月、株式会社ジェーシービーは自社発行のゴールドカードの海外旅行保険を、自動付帯から利用付帯に変更しました。
これはつまり、今までは無条件で適用された海外旅行保険が、旅行料金などをJCBのゴールドカードで支払わない限り適用されなくなったことを意味します。
「最大1億円、航空機遅延補償等付き」という優秀な保険の内容自体に変動はないものの、保険適用条件に制限が加わったという点は素直に改悪と呼んで差し支えないでしょう。
この変更に影響を受けたANAのゴールドカードは、
の2種類です。
ちなみにVISA、Mastercardブランドのワイドゴールドカードの海外旅行保険も、2022年9月から全面的に「利用付帯」に変更されています。
【2022年の改悪】スーパーフライヤーズカード(SFC)にてリボ払い特典を縮小
2022年8月の請求以降、VISA・Mastercardブランドのスーパーフライヤーズカード(SFC)会員に対する「自動リボ払い(マイ・ペイすリボ)」利用特典が縮小されました。
この「改悪」によって、自動リボ払いの手数料が発生していた場合のポイント(実質的にANAマイル)還元率アップが、「毎月+0.25%相当還元」から「毎年最大1,000円相当のVポイントプレゼント」に変更された形となっています。
利用額ベースの還元率アップが廃止されたことで、毎月のカード決済額が大きい方ほど「改悪」の割を食う形となってしまったわけですね。
ただしこの「改悪」の影響を受けるのはスーパーフライヤーズカード会員、つまり特別な条件を満たした、ANAのヘビーユーザーに限られます。
【2019年の改悪】高い還元率を実現できた「ソラチカルート」の閉鎖
2019年をもって利用不可となったのが、ソラチカカード(ANA To Me CARD PASMO JCBシリーズ)の会員が、
- LINEポイント→東京メトロポイント→ANAマイル
といったポイント交換を前提として、高還元率を実現させる「ソラチカルート」です。
この「ルート」の封鎖は「LINEポイントから東京メトロポイントの交換が不可能になった」ために生じたもので、ソラチカカード自体の「改悪」ではありません。
現在でもソラチカカードの会員は、東京メトロポイントを高レート(100ポイント→90マイル)でANAマイルに交換可能です。
改悪を加味してもANAワイドゴールドを選ぶメリットはある?
何度か「改悪」が行われているANAワイドゴールドカード。特にVISA、MastercardのSFC会員にとって、自動リボ払いによるマイルアップの縮小は、致命的であったかもしれません。
ですがそれ以外のここ数年の「改悪」は、(ソラチカルートのヘビーユーザーでない限り)カードの価値を大きく損なうものではないでしょう。
ANAカードはメインカード向けですから、海外旅行保険が「自動付帯→利用付帯に変更された」ことについても、さほど大きな影響はないはずです。
ということでこれまでの改悪を加味しても、現行のANAワイドゴールドカードに年会費相当の価値を感じられたなら、このカードを選ぶ意味は十分と言えます。
ANAワイドゴールドカードの審査と必要な年収の目安について
ANAワイドゴールドカードの審査基準は、その年会費設定やサービス内容、そして口コミを見る限り、各カード会社のプロパー(非提携)カードとほぼ同じか、大きく変わらないものと推測されます。
例えばJCBブランドのワイドゴールドカードであれば、JCBのプロパーゴールドカードである「JCBゴールド」が、審査難易度の参考になるということですね!
そしてこれらのカード(各カード会社のゴールドカード)の審査通過に必要な年収の目安は、アンケート調査の結果やSNS上の口コミを見る限り、
- まっさらな状態で申し込みを行うなら、年収400万円前後~
- そのカード会社での利用実績があるのなら、年収300万円前後~
が目安でしょうか(※さらに高難易度なダイナースカードを除く)。
とは言え1つのクレジットカードの審査に落ちてしまうことにさほど大きなデメリットはないため、ANAのゴールドカードがほしいのであれば、半ばダメ元でも審査を受けてみる価値はあるかと思います。
ただしクレジットカードの審査は、年収のみが重要…というわけではありません。
年収が高くとも、収入形態や信用情報を理由に審査に通過できなかったという例は多数存在します。あらかじめご承知おきください。
年収200万円台でもANA JCBゴールド作れると判明しました現場からは以上です
— いかくま🐹 (@ybrserow) January 30, 2020
なんで年収400万もない貧乏人がANAゴールドとか通ってるんだよ
— どーすー (@SFCcha2019) June 24, 2021
ANAワイドゴールドカードについての口コミ・評判
ここでは実際に「ANAワイドゴールドカード」を使用している方や、申し込みを検討している方、そして退会を決めた方の口コミや評判をピックアップしてみました。
趣味が旅行ということもあり、クレジットカードはANAのゴールドカードを使っています😁クレカ決済額の1%が毎月マイルとして入ってきます!マイル→スカイコインの交換レートは、50,000マイル以上だと1.6倍になりすごくお得です👀
— もね@資産公開ブログをのんびり運営 (@monep30s) August 27, 2023
効率の良いマイル獲得方法があれば教えてほしいです…! pic.twitter.com/lP8kjagROD
マイルでハワイに行くという自分で掲げてたゴール達成🤙5年ぶりの海外で楽しくエキサイティングな旅行だった🌺ANAダイナースが大活躍だったし、楽天プレミアムやJCBなど普段からの情報がとても活きて良き。今度はどこを目標にしようか✈️ pic.twitter.com/tOfIjxWjJd
— Keisuke Makino (@kekke828) April 28, 2024
ポイント制度の改悪に次ぐ改悪だったANAワイドゴールドカードついに解約を決断!SFCはもったいなかったけど相思相愛じゃなくなったから仕方ない。結局、お互い利用し合うだけの仲だったんだ…
— Ruo (@ru66o_7954) April 6, 2023
ANAのゴールドカードに関する良い口コミは、「マイル還元率の高さ」や「入会キャンペーン」に関連するものが多いですね。
日常の決済においても、ANAの利用においても「マイルを貯めやすい」ことはやはりこのカードの大きな利点と言えるでしょう。
一方、SFC(スーパーフライヤーズカード/後述)を含む一部の方からは、過去の「改悪」を嘆く声もしばしば伺うことができました。
なんにせよ申し込みの決め手となるのは、「現在のゴールドカードのサービスに、年会費相当の価値を見出せるか」という点でしょう。
【ANA】SFC(スーパーフライヤーズカード)のゴールドカードとその入会条件について
ANAグループの飛行機(特に長距離線)をよく利用する方は、ANAの「お得意様」だけが入会できる「スーパーフライヤーズカード(SFC)」を取得できる可能性があります。
ここからはそんなSFCへの入会条件や特典について、簡単に解説していきます。
ちなみにSFCに加入できる方の例は「1年間で東京⇔ロサンゼルスを三往復」「1年間で東京⇔福岡を15往復+諸条件達成」といったところ。
縁遠いようであれば、この項目は飛ばしてしまって構いません。
SFC(スーパーフライヤーズカード)の会員となる条件
ANAの「スーパーフライヤーズカード(SFC)」へ申し込むためには、以下の条件のいずれかを達成する必要があります。
(1)ANA「プラチナサービス」以上のステイタスを手に入れる |
以下のいずれかの達成 (1)年間プレミアムポイント「50,000」(うちANAグループ運航便25,000以上)の獲得 (2)年間プレミアムポイント「30,000」を獲得した上でANAカード/ANA Payを年400万円以上利用、さらに所定の「ライフソリューションサービス」を7つ以上使用する |
(2)ANAグループ運航便の搭乗で100万ライフタイムマイルに到達する |
区間基本マイレージの合計(特典や早割で加算・減額される前のフライトマイル)が累計100万に到達する ※現在のライフタイムマイルはこちらの公式サイト から確認可能 |
プレミアムポイントというのはANAマイルとは別口で適用される、ANAの「ステイタス」を決めるためのポイント。
例を挙げると、
- 福岡→羽田なら1,050ポイント(早割利用時)
- 成田→ニューヨークなら8,823ポイント(予約クラスDの場合)
が適用されます。
利用する区間に応じた「プレミアムポイント」の積算額は、こちらの公式サイト から確認できるため、SFCを狙うのならチェックしてみるのが良いでしょう。
国際線を中心とする長距離便をしばしば利用する方であれば、最短1年間でSFCを手に入れることができますよ!
プレミアムポイントのみでSFC条件を満たせない場合に必要な「ライフソリューションサービス」について詳しく見る
年間獲得プレミアムポイントが30,000~49,999の方がSFC会員資格を得るためには、
- ANAカードまたはANA Payを年間400万円以上利用する
- 以下の「ライフソリューションサービス」を7つ以上利用する
という条件を満たす必要があります。
- ANAのふるさと納税
- ANAの保険
(海外旅行保険や医療保険など) - ANAの住まい
(主に不動産の売買) - 「ANA FESTA」または「ANA DUTY FREE SHOP」の利用
(空港内のお土産ショップ) - 「マイルが貯まるその他加盟店 」の利用
(提携ホテル、空港サービス、グルメ関連など) - 「
ANAカードマイルプラス加盟店 」の利用
(セブン-イレブン、apollostation、マツモヨキヨシなど) - ANA電気
- 「ANAショッピング A-style」「ANAセレクション」や機内販売等
- ANA Mall
- ANAトラベラーズ
(ツアー旅行) - ANAマイレージクラブ モバイルプラス
- ANA Pocketの有料会員になる
(移動でポイントが貯まるアプリ) - ANAリサーチへの回答
- 動画配信「penguin」の視聴
ANAスーパーフライヤーズ ゴールドカードと通常のワイドゴールドカードの比較
通常のワイドゴールドカードとSFCのゴールドカード(ANAスーパーフライヤーズ ゴールドカード)には、以下のような違いが設けられています。
ANA ワイドゴールドカード | ANAスーパーフライヤーズ ゴールドカード | |
デザイン | ||
年会費 | 15,400円 | 16,500円 |
マイル還元率 | 1.0% | 1.0% |
フライトマイル積算率 | +25% | +40% |
入会・継続ボーナス | 2,000マイル | 4,000マイル |
その他の追加特典 | — | ・ANA Mall、ANA Festa等でマイル還元率2倍 |
年会費は通常のゴールドカードより若干高くなるものの、ご覧の通りフライトマイルの積算率や入会・継続ボーナスは増強されていますね。
またSFCの会員資格を満たす過程で「プラチナサービス」メンバーになれたなら、優先搭乗などの特典も適用されます。
達成条件は厳しいものの仮にSFCの会員条件を満たせたなら、特別なクレジットカードの取得に加え、ANAでの特別優待を受けることができるでしょう。
主な路線(国内線・国際線)の特典航空券との交換に必要なANAマイルの一覧
ANAにおける、特典航空券(マイルと交換できる航空券)の獲得に必要なマイル数は以下の通りです(主な路線のみ記載)。
ANAカード等を使ってマイルを貯める際の参考にしてみてください。
東京⇔大阪 大阪⇔福岡 | 10,000マイル (ローシーズン) 12,000マイル (レギュラーシーズン) 15,000マイル (ハイシーズン) ※以下同様 |
東京⇔広島 東京⇔福岡 東京⇔札幌 名古屋⇔福岡 | 12,000マイル 15,000マイル 18,000マイル |
東京⇔沖縄 札幌⇔福岡 | 14,000マイル 18,000マイル 21,000マイル |
日本⇔ソウル | 12,000マイル 15,000マイル 18,000マイル ※エコノミーの場合、以下同様 |
日本⇔中国各地 東京⇔台湾 日本⇔マニラ | 17,000マイル 20,000マイル 23,000マイル |
日本⇔シンガポール 日本⇔バンコク | 30,000マイル 35,000マイル 38,000マイル |
日本⇔シドニー | 37,000マイル 45,000マイル 50,000マイル |
日本⇔ハワイ | 35,000マイル 40,000マイル 43,000マイル |
日本⇔北米各地 | 40,000マイル 50,000マイル 55,000マイル |
日本⇔欧州各地 | 45,000マイル 55,000マイル 60,000マイル |
参考元:全日本航空公式サイト
「シーズン・必要マイルチャート(ANA国内線特典航空券)」
「シーズン・必要マイルチャート(ANA国際線特典航空券)」
その場合の必要マイルは、上に挙げた数字の半分です。
入会または更新時にもらえる2,000マイルを加味すると、ANAワイドゴールドカードの会員は、最低130万円の決済で「東京⇔広島/福岡(レギュラーシーズン)」を往復する分の航空券を取得できる計算となりますね。
ANAのゴールドカード(ワイドゴールドカード)に関するよくある質問と回答
ここからは、ANAのゴールドカードに関するよくある質問にお答えしていきます。
- ANAワイドゴールドカードの年会費の元を取るためには年間いくらの支払いが必要ですか?
- ANAワイドゴールドカードの家族カードの年会費はいくらですか?
- 国内空港サービスは、ANAワイドゴールドカードの会員の同伴者も利用できますか?
- ANAワイドゴールドカード会員が利用できるラウンジとは、ANAのラウンジですか?
- 一般カードからANAワイドゴールドカードに切り替えるにはどうすればいいですか?
- ANAワイドゴールドカードから一般カード等にダウングレードすることはできますか?
- ANAワイドゴールドカードの会員は、ANAにて優先搭乗のサービスを受けられますか?
- ANAワイドゴールドカードの国際ブランドを、入会後に変更することはできますか?
- ANAワイドゴールドカードの年会費は、毎年いつ請求されますか?
- ANAワイドゴールドカードの限度額はいくらまでですか?
- SFC(スーパーフライヤーズ)会員やSFCカードとは何ですか?
ANAワイドゴールドカードの年会費の元を取るためには年間いくらの支払いが必要ですか?
- 1マイル=2円相当として換算
- 毎年2,000のボーナスマイルを加味する
- 特約店やフライトマイルによるマイル加算は想定しない
という条件で計算を行うのであれば、ANAワイドゴールドカード(またはソラチカゴールドカード)の年会費15,400円を賄うために必要な年間決済額Xは、
- X×0.02≧15,400-(2,000×2)
を解いて570,000です。
つまり年間57万円以上クレジットカードを使うのであれば、ANAワイドゴールドカードの年会費の元を取れるということですね。
これを12で割ると「47,500円」ですので、月5万円以上カードを使う方であれば、年会費相当以上のマイルを受け取れる計算となります。
※Diners Club・American Expressブランドのカードの場合は「年会費の元を取る」ため、より高い決済額が必要となります。
ANAワイドゴールドカードの家族カードの年会費はいくらですか?
ANAのゴールドカードにおける、年会費の設定は以下の通りです。
ANAワイドゴールドカード (VISA、Mastercard、JCB) | 本会員15,400円 家族 4,400円 |
ソラチカゴールドカード(JCB) | 本会員15,400円 家族 2,200円 |
ANAダイナースカード | 本会員29,700円 家族 6,600円 |
ANAアメリカン・エキスプレス®・ゴールド・カード | 本会員34,100円 家族 17,050円 |
なぜかソラチカゴールドカードは他のカードより年会費が安いため、家族カードの発行を前提とするのなら、このカードを選ぶのも良いでしょう。
ソラチカゴールドカードは、JCBブランドの「ワイドゴールドカード」に東京メトロ関連の機能や特典が上乗せされたカードです。
東京メトロの利用機会がなくともJCBならではの保険やゴールド特典が適用されることから、有力な申込先候補となってくれます。
国内空港サービスは、ANAワイドゴールドカードの会員の同伴者も利用できますか?
利用可能ですが、同伴者は1,000円程度(ラウンジにより異なる)の利用料を支払う必要があります。
国内空港ラウンジでは、
- ドリンクバーや缶ビールの無料提供
- 専用Wi-Fi
- 快適なデスク、ソファーなどの提供
といったサービスを受けられます。
例外的に「ANAアメリカン・エキスプレス」シリーズのカードは、同伴者1名も無料で国内ラウンジを使用できますよ!
ANAワイドゴールドカード会員が利用できるラウンジとは、ANAのラウンジですか?
いいえ、ANAのゴールド会員が利用できるのは、いわゆる「カードラウンジ」です。
ANAが提供するラウンジは、
- 国内線のプレミアムクラスや、国際線のファーストクラスを利用する方
- ANAプレミアムカード会員(年会費77,000円~)
- 「プラチナ・サービス」メンバー以上のステイタスをお持ちの方
- 「ANA SUITE LOUNGE」ご利用券をお持ちの方
等のみが利用可能となってます。
利用できるラウンジは、各カード会社の公式サイトから確認できますよ!
例えばVISA・Masterardブランドのカードなら、三井住友カードの公式サイト より詳細を閲覧可能です。
一般カードからANAワイドゴールドカードに切り替えるにはどうすればいいですか?
各クレジットカード会社の会員サイト、もしくは電話にてお手続きください。
ただしこの形で切り替えが可能なのは、同じラインのANAカードへのアップグレードを行う場合に限られます。
「現在はJCBの一般カードを使っているが、VISAブランドのゴールドカードに切り替えたい」といった場合には、
- 新しく作りたいカードへの新規申し込み
- 旧カードの退会
といった過程を踏む必要があります。
新カードへの申込時にANAの「お客様番号」を入力することで、マイルの引継ぎ自体は可能です。
ANAワイドゴールドカードから一般カード等にダウングレードすることはできますか?
アップグレードと同じ方法(会員サイトまたは電話での手続き)でダウングレードが可能です。
ただしこちらも「別ライン」のANAカードへの切り替えを検討する場合には、「新規入会&旧カードの退会」というプロセスが必要です。
「ANAのJCBカード」と「ソラチカカード」は発行元こそ同じですが、別ラインのカードですのでお気を付けください。
ANAワイドゴールドカードの会員は、ANAにて優先搭乗のサービスを受けられますか?
ANAワイドゴールドカード自体に、優先搭乗のサービスはありません。
ただしANAの国際線・エコノミークラスを利用する際、ビジネスクラスカウンターでの「チェックイン」は可能です。
優先搭乗の対象となるのは小さなお子様を連れた方等を除くと、SFCを含むANAのヘビーユーザー です。
ANAワイドゴールドカードの国際ブランドを、入会後に変更することはできますか?
不可能ではありませんが、「新ブランドのカードへの申し込み+旧カードの退会」という手間が掛かります。
また新ブランドへの切り替えの際、入会特典は適用されません。
ANAワイドゴールドカードの年会費は、毎年いつ請求されますか?
年会費が引き落とされるのは、「入会月の翌月または翌々月」であることが多いです。
日付などの詳細はカード会社によって異なるものの、三井住友カード(VISAまたはMastercardブランドのANAカード)の場合、
- カード加入日が1日~15日であれば「加入月の翌月10日」
- カード加入日が16日~末日であれば「加入月の翌々月10日」
に年会費が支払われます。
ANAワイドゴールドカードの限度額はいくらまでですか?
公式サイトで確認できる範囲では、
- 三井住友カード(VISAまたはMastercard)の場合、50〜200万円
- ANAダイナースの場合、「限度額に一律の取り決めなし」
となっています。またJCBやアメックスの限度額設定は公開されていません。
JCBの限度額は非公開なものの、SNSなどを見るに300万円程度の限度額が適用された方も少なくはないようですね。
ANAのゴールドカードについてのまとめ
ゴールドカード限定の特典、そしてステータス性が魅力的なANAのゴールドカード。
飛行機の利用を通してマイルを貯めたい「空マイラ―」はもちろん、ステータス性と高還元を両立したメインカードを選びたい方にとっても、有力な申込先候補となってくれることでしょう。
※いずれもANAゴールドカード特典
(マイル還元率、入会ボーナス、フライトマイル積算率など)は共通
年会費 | 15,400円 ※VISA、Mastercard、JCBの場合 | 基本還元率 | 2.0%前後~ ※マイルを航空券に交換する場合 |
国際ブランド | VISA Mastercard JCB |
還元ポイント | ANAマイル (各社ポイント経由) |
発行元 | 三井住友カード株式会社 株式会社ジェーシービー |
申込条件 | 20歳以上で、ご本人に安定継続収入のある方 |
- 【2025年1月15日まで・JCB限定】新規入会で最大38,000マイルプレゼント
- カード継続で2,000マイルプレゼント
- ANAのフライトマイル+25%
- 国内空港ラウンジサービス
- 対象の免税店 が10%オフ
- 年間30,000以上の「プレミアムポイント」獲得で「ブロンズサービス」メンバーのステイタスを獲得可能
- 【JCB限定】航空機遅延補償を含む最大1億円の付帯保険
※VISA、Mastercardの場合は最大5000万円、航空機遅延補償なし - 【JCB限定】全国20万以上のお店やサービスで優待
- 【JCB限定】海外空港ラウンジサービス(入室料35US$) 他
:一般カードにない特典
特集してほしいクレジットカードやお店などがあれば、以下のフォームに遠慮なくご入力ください!
既存記事については、こちらの「オトクレカの全記事一覧 」からご確認いただけます。
今回紹介したカードはもちろん、それ以外のカードについてもあなたの口コミを募集しています。コメントに抵抗があっても安心の非公開仕様!
お暇があれば、情報をご提供いただけますと幸いです。
(※頂いた情報はサイト内で紹介する可能性があります)
最新の情報については各公式サイト情報をご確認ください。
コメント欄やメールフォーム等よりお気軽にお声がけください。